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ストッキングも洗濯ネットに入れれば洗濯機で洗える?注意すべき点は?

洗濯物のなかで、扱いが難しいのがストッキングです。ストッキングはデリケートな素材でできているので、慎重に扱わないとすぐにだめになってしまいます。洗濯機を利用してストッキングを上手く洗うには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。今回は、ストッキングの正しい洗い方、洗濯機利用の際の注意点、干し方や取り込み方などについて、詳しく解説します。

 

1.ストッキングは繊細な衣類

ストッキングは、防寒や肌の保護だけでなく、タイプによっては着用することで肌の色を完全に隠すことなく、それでいてもとの肌色をより美しく見せる効果もある優れたアイテムです。しかし、優れたアイテムであるストッキングにもデメリットがあります。それは、伝線が起きやすい繊細な衣類であるという点です。次より、洗濯機でストッキングを洗濯することの危険性について説明します。

 

2.洗濯機での洗濯は伝線のリスク大

「ストッキングとタイツの違いは何か」と疑問に思っている人は、少なくありません。ストッキングとタイツの違いは「デニール」によって決められています。デニールとは、ストッキングやタイツを作成している糸の太さ・重さをあらわす単位です。デニールの数字が小さいほど糸が細くて軽い状態となっています。「福助」の商品を例に挙げると、ストッキングは39デニール以下・タイツは40デニール以上です。この数字から、ストッキングのほうが細くて軽い糸を使っていることがわかります。つまり、ストッキングとタイツの違いは糸が細くて軽いほうがストッキング、厚くて重いほうがタイツということです。

そのため、タイツはその厚さのために丈夫で長持ちしますが、ストッキングは薄くデリケートな素材のため、ほころびやすく、それが原因で伝線が起きやすくなります。ストッキングは網目が連続して並んでいるつくりになっているので、網目が少しでも破れてしまうと、そこから連鎖的にほころびやすくなります。一箇所が原因で線が走るようにほころびが生じることを伝線というのです。

ストッキングが「ノンラン設計」や「融着」がされていない場合は、さらに伝線が起きやすくなります。ノンラン設計とは、通常のストッキングと違う複雑な編み方をする設計で、融着とは熱を加えて糸の接点を接着する加工方法です。どちらも伝線が起きにくくなる効果があります。しかし、これらの設計・加工がされていないストッキングを洗濯機に入れるとほつれる可能性が高く、そのほつれが原因で伝線もしやすくなるのです。また、ストッキングは足に装着するものなので、他の衣類に比べて長さがあります。そのため、洗濯機に入れると他の衣類と絡まりやすく、その絡まりが原因でほつれることもあるのです。

 

3.ストッキングの洗濯は手洗いがおすすめ

 

ストッキングはデリケートな衣類なので、洗濯機ではなく手で洗うのが最良の洗い方です。しかし、正しい洗い方を知っていないと、手洗いでもストッキングを傷めてしまう恐れがあるので注意しましょう。手洗いをするために用意するものは、お湯を入れる洗面器などの容器、ゴム手袋、タオル、衣類用中性洗剤です。衣類用中性洗剤は「おしゃれ着用洗剤」など衣類に優しいものが適しているでしょう。最初にやるべきことは、 洗面器に張った30~40度ほどのぬるま湯のなかに中性洗剤を入れて、洗濯用の洗剤液をつくることです。この洗剤液にストッキングを浸します。

注意点は、ストッキングは1本ずつ浸すことです。複数のストッキングを入れると絡まってしまいそれが原因で傷めてしまう可能性があります。次にやることは、浸したストッキングを上から優しく押すように洗う作業です。中性洗剤は肌には優しいですが、それでも肌が荒れる可能性があります。肌の弱い人はもちろん肌荒れがそれほどない人でも、作業する際はゴム手袋を装着しましょう。普段ストッキングをそれほどはいていない場合は1〜2回、はく頻度・時間が多くニオイが気になる場合は3~4回ほど水を入れ替えて押し洗いを繰り返しましょう。

押し洗いを繰り返したら次にやることは、洗剤液を捨てて「すすぎ」の作業です。容器にぬるま湯を入れて浸したストッキングを軽く握ると泡が出てきます。この泡が出なくなるまでストッキングを握りましょう。すすぎが終わったら、次の作業は脱水です。ストッキング自体をかたく絞ると傷つける恐れがあるので、タオルで挟んで水分を吸い取る方法が好ましいです。

 

4.ストッキングを洗濯機で洗う方法

先述した通り、ストッキングを洗濯する際は手洗いが無難な洗い方です。手洗いであれば力の加減が調整できるので、優しく扱うことが必須であるストッキングにとっては、手洗いがもっとも適した洗濯方法といえます。しかし、手洗いはどうしても手間がかかってしまうので、洗濯機で簡単に洗濯を済ませたいと思っている人もいることでしょう。実は、注意点を押さえておけば、ストッキングは洗濯機でも洗うことができるのです。次の段落より、ストッキングを洗濯機で洗う方法を紹介します。

 

5.洗濯ネットの役割とは?

ストッキングのようなデリケートな衣類を洗濯機で洗う際に活躍するのが、洗濯ネットです。洗濯ネットのメリットは、デリケートな衣類をほかの洗濯物から守る性能があることが挙げられます。洗濯物のなかにはホックやジッパーなど金具がついているものがあり、この金具が他の洗濯物を傷つけることもあります。しかし、洗濯ネットに入れておけば、ネットがなかに入れた洗濯物を保護するため金具で傷つけられる心配はありません。

そして、金具がついた洗濯物がなくても、洗濯機で洗うだけでダメージを受ける場合もあります。生地の薄いデリケートな衣類は、洗濯中の回転によって他の洗濯物との摩擦によってダメージを受けることもあります。摩擦によるダメージが心配な場合は洗濯ネットに入れておけば、洗濯物同士の摩擦が起きることはありません。

また、ほこりや汚れが再び付着する心配も、洗濯ネットの利用によって解消されます。タオルなどの毛羽立ちが多いものを一緒に洗濯機で洗うと、タオルのほこりや汚れが他の衣類についてしまった経験がある人もいることでしょう。また、他の洗濯物が泥や油でひどく汚れていた場合、それらが付着する可能性もあります。そのような汚れやほこりから守ってくれるのが洗濯ネットです。他の衣類と一緒に洗うと摩擦だけでなく汚れの心配もしなくては行けませんが、それらから保護するのが洗濯ネットの役割といえます。

 

6.ストッキングに適した洗濯ネットとは?

ひとくちに洗濯ネットといっても、さまざまな種類があります。ストッキングを洗濯ネットに入れて洗濯機を利用して洗濯する場合は、ストッキングに適した洗濯ネットを使用しなくてはいけません。ストッキングにふさわしい洗濯ネットの条件は、網目が細かいものです。網目が大きめの場合、他の洗濯物に付着した糸くずや細かいごみが網目をくぐり抜けて洗濯ネット内に侵入します。それにより、洗濯ネットに入れていても糸くずやほこりがストッキングに付着してしまい洗濯が終了してしまうのです。しかし、網目が細かいものであれば、糸くずやほこりが細かいものであってもネット内への侵入を防止します。

そして、洗濯ネットのボディがクッション性のある構造で柔らかい素材のものがストッキングには好ましいでしょう。柔軟性のある素材であれば、洗濯機内の激しい回転にも衝撃を吸収して、ストッキングのデリケートな素材に刺激を与えることはありません。また、ストッキング向けの洗濯ネットの場合、ストッキングと同じ素材のものでつくられているものもあります。

同じ素材のため、洗濯ネットに入れてもストッキングには優しく刺激が少ないことがメリットです。そして、ネットのファスナーがストッキングを出し入れすることを想定して、ファスナーで挟まないように加工が施されているタイプもあります。このように、ストッキングの洗濯に特化した洗濯ネットもあるので、ストッキング用の優れた性能の洗濯ネットを選ぶようにしましょう。

 

7.洗濯機洗いの正しいやり方

ストッキングを洗濯機で洗う場合、何度も述べているように洗濯ネットは必須です。先述した通り正しい洗濯ネットへの入れ方、注意を守ってストッキングを入れた洗濯ネットを準備することが大事です。ストッキングを洗濯する際に使用する洗剤は、手洗いのときと同様に中性洗剤です。中性洗剤も数多くの種類が各メーカーから販売されていますが、衣類に優しいタイプの中性洗剤を選ぶのが良いでしょう。この場合に注意する点は漂白剤を使用しないことです。漂白剤にもさまざまな種類があり、強力な成分のものもあれば、衣類用の酸素系漂白剤というものもあります。

しかし、繊細な衣類であるストッキングには、優しめの漂白剤であっても刺激が強く素材が傷んでしまう恐れがあるのです。そのため、ストッキングを洗濯する際は漂白剤の使用は禁止で、中性洗剤だけにしましょう。洗濯機の洗濯タイプは「標準」「急ぎ」「ソフト」など、洗濯物の種類や量によっていくつか選ぶことができます。

 

8.干すときにも注意が必要

ストッキングは、手洗い・洗濯機ともに洗濯して脱水をしても、それで洗濯は終了したわけではありません。ストッキングは干し方にも気をつける必要があります。ストッキングは、洗濯ネットへの入れ方・洗い方などにやり方があるように、干し方にも注意すべき点がいくつかあるのです。次よりストッキングの正しい干し方を説明します。

 

8-1.直射日光は当てないように干す

ストッキングを干して乾かす際にやっては行けないことは、太陽光に当てての天日干しです。晴れわたった気持ちの良い日こそ、洗濯したストッキングを太陽光の下で干したいと思う人もいることでしょう。しかし、ストッキングは太陽光と相性がよくありません。ストッキングを構成している糸は伸縮性の良いポリウレタンが使用されています。

ポリウレタンは熱を受けると変性する性質のため、太陽光などの熱を浴びると伸縮性が失われてしまうのです。また、直接日光など強い熱を浴びると硬くなってしまい破れやすくなる・黄ばみや色あせの原因になるなどのトラブルが生じます。ストッキングの正しい干し方は、日陰干しです。日の当たらない風通しの良い日陰や室内に干して、時間をかけてゆっくりと乾かしましょう。

 

8-2.つま先ではなくウエスト側が上

洗濯が終わったストッキングは、干す場所だけでなく干し方も注意しなければいけません。干す前にチェックするべきことは、脱水したときに生じたシワやヨレを消すことです。シワやヨレがある状態で干すと、そのままシワやヨレがくっきりと残ってしまいます。脱水でできたシワ・ヨレを消す方法は、はくときと同様に脚の部分に手を突っ込んで内側からシワ・ヨレを直すというやり方です。他の洗濯物に比べると手間のかかる面倒な作業をしなければいけませんが、この作業をするだけで繊維のシワやヨレ、型崩れがなくなるだけでなく他にもメリットがあります。

それは、伝線をしていないかどうかのチェックができることです。また、シワやヨレが少しでもなくなることで、乾いたあとにたたんでタンスなどにしまうとき、たたむ作業をスムーズに行うことができます。シワやヨレを消したあとに行うことは、物干しハンガーを使用した干す作業です。ストッキングの正しい干し方は、物干しハンガーでストッキングのウエスト部分の分厚い箇所の左右を挟んで広げるという干し方になります。広げる際はぐっと広げるとシワがなくなって良いと思う人もいるでしょう。しかし、洗濯後の濡れた状態で強く引っ張るとウエストのゴムが伸びてしまいます。

そして、ウエストを下にして干してはいけません。この干し方だと型崩れする可能性があるからです。そのため、ウエスト部分を上部にして優しく広げて干すことが、ストッキングの干し方で押さえておくべきポイントです。また、干し方について注意すべきポイントがもうひとつあります。それは股やつま先の部分の扱いです。股やつま先の部分は、ひっかき傷がついたり型崩れが起きやすくなったりする箇所です。この傷ついた部分から伝線が生じやてしまうので、干すときは、この部分に洗濯バサミを挟むのはやめましょう。

 

8-3.絡まないように干す

ストッキングは、洗濯物のなかでは長い部類に入るものです。そのため、洗濯時だけでなく干す際も他の洗濯物や同じストッキング同士で絡まってしまう可能性があります。このようなトラブルが発生しないために、ストッキングを干す環境についても考慮することが必要です。ストッキングが絡まってしまう原因のひとつは、強い風です。ストッキングは、風通しの良い場所で干すと乾きが早まります。そのため、日陰で、なおかつ風通しの良い場所に干すのが、太陽光も当たらず風も受けるので、最良の場所だと思われています。しかし、日陰は、ストッキングの天敵である太陽光が当たらないからといって安心してはいけません。

その日の風が強い場合、風によってストッキングの脚の部分が他の洗濯物に絡まってしまう可能性があります。ストッキングは長いので絡まってしまうと簡単に取れなくなることもあります。また、絡まったことに気づかないでいると、濡れた状態で長時間絡まったままなので、絡まった部分にシワやヨレがくっきりとついてしまうのです。そのため、ストッキングを干す場合、その日の風が強風であるかどうかも確認しなければいけません。

 

8-4.乾燥機で乾かしてはダメ

ストッキングは熱に弱いため太陽光の下で干すことは厳禁であることは先述しましたが、同様の理由で乾燥機で乾かすこともやってはいけません。乾燥機は、外が雨でも洗濯物を乾かすことができる・早く乾燥できるなど、優れた機能を持っています。しかし、ストッキングを乾かすことに関しては、使用することはできません。乾燥機はドライヤーのように熱の力によって乾かすタイプがほとんどです。

ストッキングの素材であるポリウレタンは熱を加えると伸縮性がなくなり硬直してしまい、破れたり傷がついたりしやすくなります。その結果、伝線や穴あきが生じやすくなるのです。そのため、急いでいるからどうしても早く乾かしたいという場合でも、乾燥機の使用は我慢しなければいけません。乾燥機で乾かさずに、日陰で自然乾燥をすることが、ストッキングの乾かし方では大事なことです。