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タイツとストッキングの境界線!30デニールならフォーマルでもはける?

30デニールのタイツはタイツとして薄手ですがストッキングとは異なります。この記事では、タイツとストッキングとの違い、さらにこの2つのアイテムはそれぞれどのようなときの着用に適しているかについてご説明します。

 

1.決まった基準はない?

実はストッキングとタイツの明確な基準はありません。各社で基準が異なるアイテムなので、たとえ同じデニールであっても、あるメーカーはストッキング、あるメーカーはタイツ、とそれぞれ別の商品として販売されている場合もあるため注意が必要です。当社では39デニール以下をストッキング、40デニール以上をタイツと位置付けて販売しています。

 

1-1.ストッキングとタイツははく目的が違う

ストッキングとタイツの違いはデニールの差のみだと思われがちですが、実はそれだけではありません。ストッキングを着用する目的は素足よりも脚をきれいに見せるためです。結婚式や葬儀などのフォーマルな場では、素足をさらすのは失礼なことでマナー違反にあたります。そんなときにストッキングを着用することで、脚をカバーしながら素肌よりも脚をきれいに見せることができます。

一方、タイツを着用する目的は脚の美しさよりも寒さ対策がほとんど。防寒のためデニールが大きくなりますので、ストッキングに比べると透け感が少なく素肌を覆い隠す形になります。タイツもデニールの大小によって脚を美しく見せることは可能ですが、防寒を重視してデニール数が大きなタイツを履くと、透け感がないためにシルエットがぼやけて美しく見せることができません。このように、ストッキングとタイツは形状がよく似ていますがフォーマル用、カジュアル用とそれぞれ使用用途が異なるアイテム。両方の特徴を理解することでアイテムを有効活用することができるようになり、フォーマルからカジュアルまでおしゃれの幅を広げることができます。

 

1-2.糸の太さが違う

市販されているストッキングやタイツのパッケージに表示されている「デニール」。デニールは商品が厚手かどうかを判断するための目安だと認識している人もいるかもしれません。実はこれは糸や繊維の太さを表す単位のことなのです。カタカナで「デニール」と表記されるだけでなく、記号の「D」で表記されている場合もあります。ストッキングやタイツに使用される糸は非常に細いため、9000メートルごとの糸の質量を糸の太さに換算しています。デニールの語源は「ドゥニエ」という中世フランスで使用されていた貨幣単位のこと。かつてヨーロッパでは貨幣の質量を基に絹糸などの売買を行っていた歴史があり、一定の長さの糸の質量を太さに換算するデニールの考え方もそれに倣ったものです。

例えば、9000メートルの糸が1グラムだった場合は1デニール、30デニールであれば9000メートル当たり30グラムの糸を使用していることになります。このことからもわかるように、デニールは糸の重さが上がるほど太くなるため、デニール数が大きいタイツほど厚手になる傾向が高くなります。

 

1-3.フォーマル用とカジュアル用

結婚式や葬儀など冠婚葬祭に合わせてフォーマルな装いをする時は、足もとに適度な透け感が求められます。ストッキングは細い糸で編まれているため、タイツよりもデニールが小さく透け感があります。透け感があると素足でいるよりも脚を美しく見せてくれるため、ストッキングはフォーマルな装いにふさわしいアイテムだと言えるでしょう。結婚式や入学式などのお祝いの席には肌色やベージュのストッキングを、葬儀には喪服に合わせて黒のストッキングを選ぶのが基本で、ベージュや肌色のストッキングは適していないと言われています。また、同じ黒でも柄物やラメ入りのものは避け、無地で透け感のあるものを選びましょう。

タイツはストッキングよりも太い糸で編まれているアイテムです。デニールの大きさによって印象は異なりますが、着用すると脚を完全に覆ってしまうため、ストッキングに比べると透け感がほとんどありません。透け感のないマットな質感は、フォーマルよりもむしろカジュアルな装いに適したアイテムです。冠婚葬祭の時はタイツの着用はマナー違反になるため避けた方がいいでしょう。季節や状況によってはフォーマルな場面にタイツの着用が認められることもありますが、通常はフォーマルな場面ではストッキング、カジュアルな場面にはタイツと認識して使い分けると相手にも失礼になりません。

 

1-4.はく季節が限られているか1年中か

ストッキングとタイツは、一年中季節を問わずにはけるか、またははく時期が限定されているかどうかも違いのひとつ。ストッキングは細い糸で編まれているために透け感が強く、防寒としてはくよりも素肌や脚全体を美しく見せる目的ではくことがメインのアイテム。そのため季節を問わずに一年中着用することができます。一方タイツは太い糸で編まれているので生地が厚くできています。デニールが大きい物は透け感が少ない代わりに防寒機能が高いため、寒い時に温かく脚を包んでくれるのが特徴。このことからもわかるように、タイツは主に気温が下がる秋から春先の間の着用に適したアイテムです。選ぶデニールによっては防寒だけでなく美脚効果も期待できるため、はく季節が限られていてもその間は大活躍することが予想されます。

ストッキングやタイツを着用する季節やふさわしい場面を理解しておくと、おしゃれの幅を広げることができてとても便利です。また、ストッキング・タイツは常に機能が改良されているアイテム。脚を美しく見せながらも適度な着圧を脚にかけることで美しく魅せる着圧ストッキングや、これまでよりもさらに保温効果が期待できる裏起毛タイツなど、様々な機能を兼ね備えたストッキング・タイツが販売されています。これらを有効活用することで脚をさらに美しく見せたり、自分の体を温めて冷えから体を守ったりすることが可能です。ストッキングやタイツを選ぶ時には、デニールや季節感などを重視しながら機能性にもこだわってみましょう。

 

2.デニールの差でどう変わる?

タイツを選ぶ基準になるデニール。この段落ではデニールごとにどのような特徴があるのか、どんな用途ではくのがふさわしいのかについて詳しく紹介します。デニールは大きくなればなるほど透け感が少なくなるだけではなく防寒効果も上がります。そのため気温の高い季節にはデニールの大きいタイツの着用は向いていませんし、気温が低い時にデニールの小さいタイツを着用すると体を冷やす可能性もあります。デニールの大きさは印象もがらりと変えますので、それぞれの特徴を知っておくと着こなしの幅が広がるためとても便利です。

 

2-1.脚がきれいに見える30デニール

当社では39デニール以下であればストッキングと位置付けていますが、メーカーによっては30デニールであってもタイツとして販売していることもあります。デニールの小ささからも分かるように、30デニールはタイツの中では薄手の素材。そのため透け感がストッキングに最も近いと言われています。生地が薄いことから防寒目的で着用するのは適していませんが、透け感を活かすことで、ストッキングのように脚をきれいに見せるはき方ができるのが特徴です。

少し肌寒くなってきた秋の初めごろに取り入れると、透け感を活かしながら季節感もある絶妙なコーディネートを楽しめるでしょう。20デニールのストッキングの方が生地が薄い分透け感は強めですが、透け感を抑えて脚をきれいに見せたい時には、むしろ30デニールのタイツが適していることもあります。

 

2-2.美脚と保温を兼ねた60デニール

足もとを温めながら脚を美しく見せたいなど、保温と美脚を兼ねたい場合は60デニールのタイツがおすすめ。60デニールは全体的にほのかな透け感がある程度で、20デニールのストッキングや30デニールのタイツなど、薄手素材のものに比べると透け感がほとんどありません。ただし、温かさのわりに80デニール以上のタイツほど生地に分厚さがないのが特徴です。分厚くないので脚のシルエットが太く見えにくく、ラインをきれいに見せることも可能です。脚のラインに自信がない人でも60デニールのタイツであれば、ほのかな透け感という特徴を活かしたカバー効果が期待できます。

60デニールは保温効果があるため、気温が高い季節に着用するのはあまり向いていません。温かさを活かして快適に過ごすなら、晩秋から真冬にかけて気温が大きく下がる時期に取り入れるのがおすすめです。タイツはカラーバリエーションが豊富なアイテムでもあります。定番の黒はもちろん、グレーやネイビーなどもシックな印象を与えますし、パープルやワインレッド、グリーンなどの鮮やかな色のタイツは足もとを華やかに彩ってくれます。

 

2-3.防寒目的なら80デニール以上

防寒目的を第一にタイツを選ぶ場合は80デニール以上の大きさが必要です。80デニール以上のタイツは、110デニールや160デニールなど大きさが3ケタ以上の商品もあります。80デニール以上のデニールが大きいタイツはすべてしっかりとした厚みを感じるのが特徴。生地が厚いため透け感はほとんどなく、この中で最も薄い80デニールでもひざがうっすら透ける程度。80デニール以上のタイツの中には、保温機能を高めるために裏起毛がついたタイプの商品もあります。寒い季節は足もとや腰回りが冷えやすくなり悩んでいる人も多いようですが、80デニール以上のタイツは体を冷やさないように防寒対策をしたい人におすすめです。

80デニール以上のタイツは保温効果の高さから真冬にぴったりの商品。着用すると脚全体をしっかり覆い、透け感があまりないマットな印象になります。透け感がないと足首やひざ周りのシルエットが太くなってしまうため、美脚効果はあまり期待できません。ただし、80デニール以上のタイツでもトップスやボトムスとバランスよく組み合わせることで、足もとを魅力的に見せることはもちろん可能です。

 

3.タイツはストッキングの代わりになる?

ストッキングは脚を美しく見せるアイテムで、タイツは防寒に役立つアイテムです。この二つはそれぞれの特性から着用する場面や季節が異なることは先に述べましたが、タイツを着用する機会が増える秋から春先にかけては、タイツをストッキング代わりにはきたいと考えている人もいるでしょう。この段落ではタイツをストッキングの代わりとして着用するのが可能かどうかについてまとめました。フォーマルな場所では透け感があるレッグウェアが求められるため、透け感の少ないタイツはカジュアルな印象が強くなり、着用できる場面は限られてきます。マナー違反の防止としても参考にして下さい。

 

3-1.冠婚葬祭でタイツをはいたらダメ?

ストッキングやタイツなどのレッグウェアは、糸が細くて薄手の生地ほど格上だとされています。そのため冠婚葬祭などのフォーマルな場面では、糸が細くて密に編まれているストッキングをはくのがフォーマルにふさわしい装いです。ストッキングをはくのが基本的なマナーになるため、タイツの着用は控えましょう。ストッキングは晴れの席の場合は肌色、または明るいベージュをはき、葬儀の場合は黒色をはくのが基本です。結婚式などのお祝いの席で黒色をはいたり、葬儀で肌色やベージュをはいたりするとマナー違反になるので気をつけて下さい。

冠婚葬祭で着用するストッキングは無地であることが重要ポイント。ストッキングの中にはチェックなど柄が入ったものもありますが、これらの着用は控えて下さい。ただし結婚式などの晴れの席では、肌色やベージュのストッキングであればワンポイントがついていても問題はありません。ラメ入りのストッキングもマナー違反になりませんが、派手なものではなく上品で控えめなものを選びましょう。ストッキングを選ぶ時は、自分の肌の色より明るいと野暮ったい印象や子供っぽい印象になることがあるため選び方も大切になります。

肌色系のストッキングを選ぶ時には、自分の腕の色やお化粧で使用しているファンデーションの色に合わせると失敗しないと言われています。黒の場合は無地であり、かつ透け感のある上品なものであれば問題ありません。通常ストッキング売り場では商品のサンプルが設置されているため、それを参考に商品を選ぶことができます。サンプルに自分の腕を通すことで似合う色が確認できますので、選ぶ時はひとつひとつ腕を通してじっくり試してみましょう。

葬儀では季節を問わずに一年中黒いストッキングを着用するのがマナーです。夏の暑い時は快適さを重視して冷感効果のあるストッキングなどを取り入れるのもいいでしょう。寒い地方や気温の低い日の場合は、薄手のストッキングは防寒できないため、体が冷えてしまう可能性もあります。そのため防寒用として透け感のあるタイツであれば、ストッキングの代わりにはいても問題ないという意見も。しかしその一方で地方や気候を問わず、葬儀に出席する時にはタイツは失礼にあたるためストッキング着用は必須、とする意見もあり一致していません。地域差もありますので、気になる場合は参列する事前に喪主や家族、親戚などに確認してから準備した方がいいでしょう。

 

3-2.葬儀用のストッキングの薄さは?

フォーマルな席では足もとの透け感が重視されるため、葬儀用に着用するストッキングは20デニールのものが一般的。肌を透かして適度に見せる20デニールのような薄手の素材であれば、季節を問わずに一年中はくことができます。葬儀用のストッキングは一年間を通して黒が基本です。夏でも黒のストッキングの着用がマナーですので、暑いからと言って肌色やベージュのストッキングをはくのは避けて下さい。先に述べた通り当社では39デニール以下であればストッキングに分類して販売していますが、ブランドやメーカーによっては30デニールでもタイツとして販売している場合もあります。デニールだけで商品を選ぶと、ストッキングを選んだつもりで誤ってタイツを購入することもありますので注意が必要です。パッケージを見る時は、デニール以外の項目もしっかりチェックしながら商品を選びましょう。

 

3-3.ストッキングの重ねばきで

寒い地方によっては体が冷えてしまうことを避けるため、葬儀ではタイツの着用が許されている場合もあります。しかしタイツはデニールが大きいほど透け感が少なくなるため、フォーマル用には向かないという意見も根強いようです。このことからタイツ着用でマナー違反になることを気にしている人も多いでしょう。マナー違反にならないか気になる場合はタイツを着用するのではなく、ストッキングを2枚用意して重ねてはくのがおすすめ。肌色やベージュのストッキングをはいた後に黒のストッキングを重ねると、タイツと違って透け感を失うことがありません。さらに下からはく肌色やベージュのストッキングを、黒のストッキングより少し厚めのデニールにしておくことで、より保温効果が期待できます。

ストッキングの重ねばきは、保温とフォーマル感の両方を満たすことができますので非常に有効な方法です。ただし重ねてはくことで足首やひざ周りなど、関節の部分がダボついてシワが寄ってしまうことがあります。シワが寄るとはき心地が悪いのはもちろんのこと、傍から見てだらしない印象を与える危険性も。ストッキングを重ねて着用する時は、足のつま先とかかとにストッキングをしっかり合わせ、膝からしっかり伸ばして均一にするのがポイントです。下にはいたストッキングがダボつかなければ、上からはく黒いストッキングもダボつきにくくなります。脚全体をストッキングが均一に覆うようにするなど、重ねばきをするときは特にはき方に注意しましょう。

ストッキングの重ねばきは葬儀だけでなく結婚式にも有効なテクニックです。気温が低い時に結婚式に出席すると足もとの冷えが気になることがあります。もちろん結婚式にもタイツを着用することもマナー違反。黒のストッキングもお祝いの席では失礼にあたりますので、この場合は肌色やベージュのストッキングを重ねてはきましょう。デニールの小さいストッキングを重ねてはくことで厚ぼったい印象を与えず便利です。ストッキングを重ねてはくことで足もとの透け感が気になる場合は、丈が長めのワンピースと合わせるのもおすすめです。脚全体ではなく最も細い足首を重点的に見せることで、脚を美しく演出することができます。結婚式では主役である新郎新婦より目立たない装いをすることが最大のマナーです。防寒対策をしながらシンプルで上品な装いを心がけましょう。