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ストッキングの不思議!同じデニールなのに種類が多いのはなぜ?

ストッキングは、同じデニールであってもはき心地や機能が異なるものが数多くありますが、その理由はご存知でしょうか?この記事ではストッキングやタイツを選ぶ時に表示されているデニールについての説明と、両者の違い、さらに同じデニールのストッキングでも色々な機能を持ったものと、そうでないものがある理由について説明します。ぜひこれからのストッキング選びの参考にして下さい。

 

1.まずはデニールについて知ろう

ストッキングやタイツのパッケージに記載されている「デニール」は、商品を選ぶ目安になります。この段落ではデニールとは何なのか、デニールの違いが何を表すのかについて解説しました。

 

1-1.糸の太さを表すデニール

デニールというのは、糸の太さを表す単位のことです。タイツに使用されている糸はとても細くて柔らかい為、計測をすることは困難なのです。更に素材によっては太さは均一ではありません。そこで、糸の太さを質量で計測するという方法が編み出されました。なぜ質量から計測されることになったのかというと、同じ材質の糸は密度が一定していて、長さが違うのです。そこで、同じ長さにすることにより断面積の違いが残ります。これにより、糸の太さが分かるようになったのです。その具体的な計測方法は、9000mの糸が何gになるのかということです。9000mの重さを量った時に1gなら1デニール、同じ長さの別の糸を計った時に10gなら10デニールとなるのです。

 

1-2.数字が大きいと厚くなる

ストッキングやタイツに使用される生地は、デニールの数字が大きいほど厚くなります。たとえば9000メートルで1グラムの糸と、9000メートルで2グラムの糸を比べた場合、同じ長さでも重さが2倍となる2グラムの方が太い糸になり2グラムの方が厚いです。15デニール・20デニール・25デニールの糸も、それぞれ9000メートルの長さで15グラム。20グラム・25グラムと重さが異なります。これらもすべて、デニールの数字が大きければ大きいほど糸が太くなるのです。そのため20デニールよりも25デニールの方が太い糸が使用されているため生地に厚みが増します。

生地に厚みが出るほど実際に着用した時に肌が透けにくくなります。肌の透け具合はデニールの数字の大きさで決まり、見た目の印象もそれぞれ変わってきます。脚を美しく見せたい場合は、透け感のある方がきれいな印象を与えるためデニールが小さい物を選ぶのがおすすめです。防寒をしっかりしたい場合は、デニールが大きいタイツなどを選ぶと暖かく過ごすことができるでしょう。ストッキングやタイツはファッションのアクセントになるアイテム。防寒や肌の透け感など、気候の変化や見た目を考えて生地の厚みにこだわることは、商品を選ぶ時のポイントのひとつです。

 

2.ストッキングとタイツは何が違う?

ストッキングとタイツは見た目がよく似ていますので混同されることがあります。しかし実際は両者の間にはきちんと明確な区別がされているのです。この段落ではストッキングとタイツの違いについて解説します。

 

2-1.ストッキングと呼べるのは何デニールまで?

ストッキングとタイツの境界線は明確ではありませんが、当社では39デニール以下をストッキング、40デニール以上をタイツと呼んで区別しています。一般的に販売されているストッキングは20デニール前後がほとんど。ストッキングはデニールが小さく、タイツはデニールが大きい傾向になります。ストッキングは脚を美しく見せるために細い糸が使われています。防寒目的で着用する厚さになると太い糸が使われていますので、ストッキングではなくタイツというくくりになります。

タイツは使われている糸の太さで肌の透け感が異なり、印象が変わります。そのため商品を選ぶ時はデニールを比較条件にすることも多いです。ストッキングの場合はデニールが同じでも機能が異なることが多いため、商品を選ぶ時にデニールを比較条件にすることはあまりありません。ストッキングを選ぶ時は自分の肌の色との調和性や、機能性に注目することがほとんど。UVや防臭、着圧タイプなど、ストッキングは脚を美しく見せて快適にはけるように様々な機能がついています。そのためデニールを選ぶ基準にする人は少ないと言えるでしょう。

 

3.ストッキングでできるおしゃれ

ストッキングはフォーマル、タイツはカジュアルな印象を与えることが一般的です。これは着用するシーンのイメージもありますが、デニールの大小によっても変わってきます。実はストッキングやタイツなどのアイテムは、糸が細くて布が薄いほど格が高いとされているのです。そのため冠婚葬祭ではデニールが小さいストッキングを着用するのがマナー。素足はフォーマルな場所ではマナー違反になるので気をつけましょう。

冠婚葬祭で身につけるストッキングは、結婚式に出席する場合は肌色、お通夜や告別式に参列する時は黒色を選ぶのが一般的。結婚式は基本的に色つきのストッキングの着用はできませんが、肌色でワンポイントがついたものは特に問題ありません。お通夜・告別式は基本的に無地の黒いストッキングを着用し、柄入のストッキングやタイツは避けましょう。ストッキングは脚を美しく見せるためのアイテムですので、ワンピースやスカートのスーツなど、脚を見せられるファッションとの相性が抜群。ストッキングはフォーマルな印象が強いため、脚を強調するのではなく、さりげなくきれいに見せるような着こなしにするとおしゃれ度がアップします。

ストッキングを選ぶ時は、洋服の色ではなく自分の素肌の色に合わせて選ぶと、脚を美しく見せてくれるのでおすすめです。例えば腕や顔、またはお化粧する時のファンデーションの色に合わせると、自然な雰囲気が出て悪目立ちしません。ストッキングを販売しているお店には色の見本やカラーチップが用意されていることがほとんどです。実際に見本に腕を通したり、腕にカラーチップを重ねたりすることで着用時のイメージができ、身につけても違和感がないものを選ぶことができます。

肌をきれいに見せたい場合は網目の細かいストッキングがおすすめ。ストッキングは網目が細かくなればなるほど色ムラが出にくくなります。色ムラがないと表面が均一化されて見えるため、カバー感がアップして肌をきれいに見せてくれます。

 

4.同じデニールでも異なる機能性

ストッキングは同じデニールでも異なる機能性を持ったものが数多くあります。この段落では、なぜ同じデニールのストッキングでもそれぞれ機能が分かれるのか、その理由について解説しました。

 

4-1.薄くても丈夫なストッキング

ストッキングはかつて絹などの天然素材が使われていましたが、1937年に登場したナイロンストッキングのヒットをきっかけにナイロン素材の使用が主流になりました。しかしナイロンストッキングはひざの裏や足首の部分がたるんでしまう欠点があり、だらしない印象を与えて脚が美しく見えないと悩む女性も多かったのです。このような素材の欠点をなくすため、ナイロンストッキングはこれまでに様々な改良がおこなわれてきました。中でもストッキングを丈夫なアイテムに変化させたのはサポート糸の存在です。サポート糸とはポリウレタンにナイロン糸を巻きつけて作られたもの。ナイロン糸の丈夫さにポリウレタンの伸縮性の高さを加えることで、丈夫で伸縮性の高い糸が誕生しストッキング用の糸として使われるようになります。

サポート糸の登場でストッキングのたるみの問題はほとんどなくなり、ストッキングはさらなる発展を遂げていきます。サポート糸はその後シングルカバーリングヤーン(SCY)とダブルカバーリングヤーン(DCY)という2種類になります。SCYはポリウレタン糸にナイロン糸を1重巻きにしたもので、DCYよりも伸縮性に優れているだけでなく、素材が柔らかいので使い心地が抜群です。DCYはポリウレタン糸にナイロン糸を2重巻きにして作られた糸のことで、2重巻きにしている分SCYよりも強度が高いのが特徴です。伝線しにくい丈夫なストッキングを求めている場合は、DCYを使用したものがおすすめ。DCYはフィット感や耐久性に優れた素材として、立ち仕事などハードな仕事に就いている人にぴったりです。

一般的に販売されているストッキングの生地は、ゾッキと交編の2種類に分かれています。ゾッキはサポート糸のみ使用して編み上げた生地のこと。透け感はあまりありませんが、伸縮性に優れていて履き心地が非常に柔らかいことが特徴です。交編はサポート糸とナイロン糸を交互に編み上げた生地のこと。ゾッキに比べると伸縮性はあまりありませんが、デニールがゾッキよりも小さいのが特徴。着用すると素肌感が出やすく透明感のある仕上がりになります。

はき心地へのこだわり、または着用した時の見た目のこだわりなど、ストッキングを選ぶ基準は様々。しかし、かつてはどちらもストッキングに穴があくと伝線しやすくなるという共通の悩みがありました。その悩みを解消するため穴が開いた時にそれを防ぐ技術が取り入れられるようになり、伝線しにくいストッキングは主流になりつつあります。

 

4-2.細く見せる着圧ストッキング

ストッキングはデニールが同じでも、普通のストッキングと着圧ストッキングとでははき心地や着用した時の脚の見え方が異なります。着圧ストッキングとは、肌を美しく見せるだけでなく脚を細く引き締めて見せる効果も期待できるストッキングのこと。着圧ストッキングには「段階着圧設計」という足首・ふくらはぎ・太ももと脚の部位ごとに着圧を変える機能がついています。部位ごとに着圧を変えることで脚がすっきりし、疲れを和らげてくれるのです。

着圧は「hPa(ヘクトパスカル)」という単位で示され、数字が大きいほど着圧が強くなるのが特徴。市販のストッキングは足首の着圧が最も高いのが一般的です。着圧ストッキングは強度が強く、はき心地がきつめなので好みが分かれるでしょう。しかしストッキングを通して着圧をかけることで脚への負担を和らげる効果が期待できます。そのため立ちっぱなし、座りっぱなしなど一定の姿勢で仕事をしている人から人気の高いアイテムなのです。

当社のストッキング「満足」シリーズには着圧機能がついたストッキングが数種類あります。特に「引締め着圧+なめらか肌」は、メリハリ段階引き締め機能と伝線しにくさを併せ持ったストッキング。足首・ふくらはぎ・太ももだけでなく、そけい部から膝周辺、足の土踏まずにも着圧をかけています。そけい部のしめつけは柔らかく、土踏まずに強めの着圧をかけることでフィット感をアップさせ、脚全体の疲れを和らげる効果が期待できます。伝線しにくいので長く使用できる高品質な商品です。

長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしの仕事は、脚全体の血行が滞って負担をかけるため疲れやすくなります。脚に疲れがたまると歩く時に辛くなるのはもちろんですが、脚をきれいに見せることが難しくなるのも困りもの。仕事中でもなるべく脚の疲れを少なくしたい、汗やムレを防いで快適な状態をキープしたい、と考えている人には着圧ストッキングがおすすめです。ストッキングは着圧機能や吸水速乾機能の他に、紫外線を防ぐUV加工商品もあり実に多機能。脚を美しく保ちたい人にとって大きな味方になるアイテムです。

 

まとめ

ストッキングは様々な機能によって種類が分かれているため、タイツのようにデニールで選ぶのは難しいです。まずはどのようなシチュエーションで着用するのかをイメージし、それにぴったりの最適な機能を持ったものを選びましょう。着用するシチュエーションを考えると機能に納得のストッキングを選びやすくなります。脚を美しく見せるためにストッキングの存在は重要です。ぜひ最適なものを選びましょう。